【建築家と考える】新築住宅に和室は必要?メリット・デメリット|和モダンの考え方

これから家を建てようと考えているお客様の中には「和室ってあった方がいいの?」と悩む方も多いようです。今回はキューブ建築研究所が考える「 和室 (畳のある部屋)」についてお話いたします。

和室のメリット・デメリット

そもそも「和室」というと、どのようなイメージを思い浮かべるでしょうか?まずは、よく挙げられる和室のメリット・デメリットをご紹介します。

メリット
・畳の調音機能で過ごしやすい
・畳にはリラックス効果など良い効能がたくさん
・弾力性のある畳で、赤ちゃん・お年寄りにも安心

デメリット
・畳のメンテナンスにお金がかかる
・ダニやカビが発生しやすい
・家具の配置・コーディネートが難しい

「和室=畳が敷いてある部屋」というイメージの方も多いかと思いますが、それ以外にも和室には様々な要素があります。掛け軸や花を飾るスペースとなる「床の間(とこのま)」 や「 床柱(とこばしら)」 があって、書院なんかもついている部屋…と具体的にかみ砕いてみると、より和室のイメージが広がってきます。

「和モダン」を取り入れる考え方

では「実際にどんな風に使うの?」と聞かれると、どうでしょうか?

・客間、ゲストルームとして
・寝転がったり、リラックス、寝室として
・子ども部屋として

そもそも来客用の部屋というと、普段は使わないというところに6帖という大きさは必要?とも考えたりしますよね。そんな場合は、リビングの隅に畳だけ敷いてとか、障子や引き戸などを付けるだけで間に合ったりもします。

LD(リビングダイニング…リビングとダイニングの空間が一体となった部屋)と続いた間に和室が欲しいという方は、畳の部分だけ小上がりにするというのも空間にメリハリがでていいかもしれません。フローリングの部屋に障子を用いて、柔らかな日差しを取り込むこともでき、和風の感じも醸し出すことができます。

朝日の家Ⅰ
吉田の家
朝日の家Ⅱ

コチラのページでは、実際に弊社が設計した注文住宅の施工事例をご覧いただけます。ぜひ併せてご覧ください。

色合い・価格・種類豊富な畳

和室(畳の部屋)と言っても、いろんなスタイルがあります。畳表の素材や色合いも結構豊富です。本畳(イグサで編んだ畳表や中に藁を使ったもの)からスタイロ畳(ビニル系の畳表と中はスタイロフォームを使ったもの)まで価格も幅広くあります。

 スタイロ畳

スタイロ畳とは「スタイロフォーム」という断熱材を組み合わせて作られた畳のことです。軽いことが特徴で、畳と組み合わせることで軽量化できるだけでなく、保湿性・防湿性・防ダニにも優れ、衛生的にも優れた畳です。ビニル系は湿気が高くなってくるとカビが繁殖することもあります。通風に気を付ければ問題はありませんが・・・。

 イグサ畳

イグサ畳は香りが断然いいです。けど長年(10年~20年)よく使う部屋だと藁が弱ってきて踏むとかなり凹みます。特に箪笥なんかを置くとそこだけ腐食が早く進みます。やっぱり風通しが大事ですね。箪笥などの家具を置きたい方は、置く部分だけ板にするというのもいいですね。機能とデザインを兼ね備えています。

日本の伝統文化「畳」

日本文化の代表とも言える「畳」。平安時代では上流階級における権力の象徴だった畳ですが、その後、茶道の発展により「茶室」「四畳半」といった概念が生まれ、日本建築が大きく変化し、今の和室の形へと繋がっていきます。

「たたむ」という言葉自体が日本の文化なので、お家を建てるときには畳の部屋を創る・創らないに関わらず、たたみ文化をもう一度見直してみませんか?
(回答/キューブ建築研究所 橋本雅史)


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